本文へスキップ
針のみで施術する治療院です。                                                        

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.0859‐28‐5205

〒683-0104 鳥取県米子市大崎1733‐2

症例報告

足の疾患に関する鍼治療

令和1126

森脇 安浩

 

                           足の疾患に関する鍼治療         

 

はじめに

整形外科分野でも医療ガイドラインの策定が進んでおり高水準の医療がこの地域でも受けられるようになってきています。
その中で高水準の医療を受けていても症状の改善がしにくい下腿部・足部の症例を続けて診させてもらう機会があり、鍼治療で改善した症例がありましたので報告します。

 

症例報告

症例1 足関節捻挫

氏名 Mさん

性別 男

年齢 28歳

職業 自衛隊員

初診日 平成26510

主訴 左足関節捻挫

現病歴 令和18(2ヶ月前)に砂利道を歩いていて挫いた。翌日、整形外科を受診。レントゲン撮影骨に異常なし。左足関節内反捻挫と診断。

症状  朝起きて動き始める時に痛い。左外果前下方に圧痛。
     足関節背屈時に外果前下方に違和感。足関節屈曲時に外果後方に痛み。

治療 左外果周囲の循環改善・可動域改善を目的に左下腿〜足関節周囲までを中心に処
   置。

使用鍼 ステンレス ディスポーザブル鍼 0.16×40mm

治療回数 4

経過 少しずつ足関節可動域が拡がってきて痛みも改善されていった。
    左外果前下方の触診所見が変化するにつれて症状が改善した。


症例
2 足底腱膜炎

氏名 Kさん

性別 男

年齢 38歳

職業 自衛隊員

初診日 平成19413

主訴 左足底腱膜炎

現病歴 平成309(1年前)から発症。寛解・増悪を繰り返していた。最近、走る距離が増えてから次第に左アキレス腱まで痛くなってきた。 病院では左足底腱膜炎と診断されている。

症状 動作開始時に左足底の踵前側と左アキレス腱が痛い。

治療 左下腿後面と左下腿内側の筋緊張を緩めて足部の循環改善と足底・アキレス腱にかかる負担を軽減するように処置していく。左アキレス腱と左下腿内側下部の触診所見が変わると症状が改善した。

使用鍼 ステンレス ディスポーザブル鍼 0.16×40mm 0.14×40mm

治療回数 1回

経過 治療直後痛みが軽減し、2ヶ月後来院された時には足底の痛みは消失していた。

                                         

症例3 右腓骨疲労骨折前

氏名 Iさん

性別 女性

年齢 17歳

職業 高校生 

初診日 令和1920

主訴 右下腿前面痛

現病歴 以前から下腿前面が痛かったが最近痛みが特に強くなった。整形外科に受診してレントゲンでは異常なし。エコー検査で右腓骨中央が疲労骨折しかけていると診 断。整形外科ではウォーターベッドと超音波治療を受けた。触診すると右下腿前面と後面の緊張が強く、右下腿外側中央は少し腫れ、熱感あり。

症状 右足関節屈曲・伸展で右下腿前面・右下腿外側に痛み。

治療 右下腿前面と右下腿外側の循環改善を目的に処置

使用鍼 ステンレス ディスポーザブル鍼 0.16×40mm

治療回数 2

経過 1回目の治療で右長腓骨筋中央の腫れを引かせることで痛みが改善。深度は浅い層の緊張が緩まないと痛みが変化しない。2回目来院時には腫れが少なく痛みが引いたの で練習を再開していた。同じように右前脛骨筋・総指伸筋・腸腓骨筋を中心に右下腿の筋緊張を緩めるよう に処置。その後は同じような痛みは出ていない。

 

症例4 腓骨外果骨折・足関節脱臼・靭帯損傷後治療

氏名 Aさん

性別 男性

年齢 18歳

職業 高校生

初診日 平成291014

主訴 左腓骨外果骨折・足関節脱臼・靭帯損傷による左足関節痛

現病歴 令和197(42日前)にバスケットボールでダンクシュートして着地した時に痛めた。 その日に総合病院の整形外科に行き左腓骨外果骨折・足関節脱臼・靭帯損傷と診断。腓骨・足関節にプレートとボルトを入れる手術と靭帯再腱手術をした。 現在は松葉杖を使って体重の3分の1までかけて良いと言われていたが、今週か3分の2まで体重を乗せて良いと許可が出た。踵までつけない。 左足関節を中心に腫れが強い。左大腿前面の筋が落ちて大腿後面の筋緊張が強い。
*病院での見通しは11月の第1週に踵をつけ、12月に運動開、3月に競技復帰を 目指す。ハンドボールを大学でもしたいため早く競技復帰を果たしたい。

症状 左足に体重を3分の2以上かけると左足関節全体が痛い。

治療 左足部の循環改善・左足関節可動域改善を目的に処置。その他、運動再開に伴って現れる症状に対応していく。

使用鍼 ステンレス ディスポーザブル鍼 0.16×40mm 0.14×40mm

治療回数 7回 継続して治療中(2週間に1回)

経過 左足関節の腫れていた状態は回数が進むにつれて範囲が小さくなり、可動域も改善されていった。運動許可が出て動くようになってきてからは、それに伴って現れる 症状に対応していった。予想以上に経過が良く順調に運動許可が出た。

 

考察 

病院での経過(発症・検査・診断・治療など)をよく聞き、現在の状況を把握してから、患部や患部周囲、疾患に関係する部位を触診し、改めて医療機関からの情報を鍼師としての視点で咀嚼する事の重要性を再認識した。

まとめ

基本的に病院で症状の改善がみられない、おもわしくない状態にある症例に対して治療をすることは難しい事だと感じてきたが、今回の各症例は、下腿部・足部の状態に対して鍼治療で良い結果が得られた。
進んでいく医療の中で行っている事を理解し、鍼灸師にしか出来ない事を見つけてやっていく事で改善する症例もまだ多く残されているのではないだろうかと意識させられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 














米子信愛鍼治療院

〒683-0104
鳥取県米子市大崎1733‐2
TEL 0859‐28‐5205
FAX 0859-28-5205

newpage138.htmlへのリンク