平成31年1月27日

米子信愛鍼治療院　松本　剛典

 

流通経済大学トライアスロン部米子合宿鍼治療によるサポート

　　

 

はじめに

流通経済大学トライアスロン部米子合宿(夏季合宿)の鍼治療によるサポートを行いました。

貴重な経験ができましたので報告をいたします。

 

 

1．流通経済大学トライアスロン部

所在地

茨城県龍ヶ崎市

監督

田山　寛豪(たやま　ひろかつ)

記録

アテネ・北京・ロンドン・リオデジャネイロ　オリンピック　トライアスロン日本代表

日本トライアスロン選手権11回　優勝

研究テーマ

トライアスロン教材研究

部員数

去年(2017年)　6名　(男子：5名　女子：1名)

今年(2018年)　5名　(男子：4名　女子：1名)

競技の概要

オリンピックディスタンス　(スイム1.5km　バイク40km　ラン10km)

スプリント　(スイム0.75km　バイク20km　ラン5km)

 

2．日程

2017年7月紹介者を通して合宿のサポートの依頼がある。8月上旬にスケジュールの概要が決まる。

昨年　　　　　2017年8月16日～31日

治療日(人数)　 8月17日(2人)　21日(6人)　25日(6人)　28日(7人)　31日(7人)　

 

2018年7月にマネージャーから合宿のサポートの依頼がある。8月の上旬にスケジュールの概要が決まる。

今年　　　　　2018年8月16日～27日

治療日(人数)　 8月18日(1人)　20日(7人)　22日(2人)　24日(7人)　27日(1人)

 

3．合宿のサポートの対応方針

①     競技の特性を理解する

②     合宿の目的を理解する

③     各選手の目的を理解する

④     各選手の体調を確認する

 

４．対応したスタッフ

2017年　施術者：松本・森脇・金森　助手：西山

2018年　施術者：松本・森脇　応援：金森(かなもり鍼治療院)

 

５．症例

・症例1　

Kさん(男子)

2017年8月21日初診

主訴　腰下肢痛　下腿後面痛

大学入学以来故障が続いている。スイムでのバランスで背筋の左右のバランスが悪い。

治療の目的として継続的な練習ができるようにする。

スイム・バイク・ラン各種目のフォームの特徴を確認して修正するべきポイントを指示する(監督と相談する)。

2017年

第1診　8.21

第2診　8.25

第3診　8.28

第4診　8.31

処置　故障した腰背部の筋緊張を取り除く。ハムストリングと下腿三頭筋の緊張を取り除く。

2018年

第1診　8.20

第2診　8.24

昨年の合宿後は、故障せずに継続的な練習ができていた。競技力向上

 

・症例2　

Sさん(女子)

2017年8月21日初診

主訴　左腰痛　下肢の疲労

順調に継続的な練習ができている。追い込んだ為に腰下肢に疲労が溜まっている。

2017年

第1診　8.21　

第2診　8.25

第3診　8.28

第4診　8.31

処置　下肢を中心にして処置する。大腿四頭筋・半腱半膜様筋・大腿二頭筋・前脛骨筋

2018年

第1診　8.20

第2診　8.22

第3診　8.24

ランニングの練習後に左下腿三頭筋内側部の筋肉の張りを感じる。この筋肉を処置した。

 

６．合宿中に求められた対応

①     インカレ直前の合宿でありトレーニングとコンディショニングの調整が課題となった。

　　2017、2018インカレのスケジュールに合わせた調整を行う。

　　　(2017．9.3　日本学生トライアスロン選手権 観音寺大会)

　　　(2018．9.9　⽇本学⽣トライアスロン選⼿権 観⾳寺⼤会)

2018ユニバーシアードのスケジュールに合わせた調整を行う。

(9.1　FISU世界学生トライアスロン選手権inスウェーデン)

②     トレーニングのメニューをクリアできるように選手の疲労度の軽減を図る。

③     故障している選手の対応

④     監督と相談の上、故障の予防につながるフォームの改善を行う。

 

７．合宿後の成績

2017年　インカレ男子団体の優勝(2連覇)　男子・女子個人の入賞　

2018年　ユニバーシアード個人の女子優勝

　　　　　インカレ男子団体の優勝(3連覇)　女子個人の優勝　男子個人の入賞

　　　　　福井国体　男子個人の入賞　

 

８．課題点

①     スタッフの条件により対応できる治療回数に制約がある。

②     部の活動状況を把握し事前の準備を充実させる必要がある。

９．まとめ

田山監督　報告作成に協力して頂きありがとうございました。
米子信愛鍼治療院では、通常個人の患者さんに対する鍼治療を行っています。今回の大学の競技部の合宿に対する対応は、団体に対するものであり個を大切にしながらも治療目的が異なりました。インカレの団体2連覇3連覇(部の目標)という目的の達成に協力できたことは幸いでした。

各種競技の合宿のサポートを行うことにより鍼治療の可能性を広げていきたいと思います。